メダカを飼育していて、諸問題を引き起こす要因となるのが“富栄養化”です。
アオミドロが繁殖したり、メダカが死んだり、問題の多くは富栄養が原因じゃないかと思います。
富栄養化とは
一般的にいわれる富栄養化は環境用語で、生活排水や肥料の流入によって海水や川に含まれる栄養分が自然の状態よりも増えすぎる状態を表します。
富栄養化した海や湖では、水中の植物やプランクトンが大量に増える。アオコや赤潮の発生原因です。
ホームビオトープにおいても同様のことが起こり、餌の食べ残しやフンによって水中の窒素やリンが増加、藻類が繁殖しやすい環境となります。
栄養が増えるのなら良さそうな気もしますが、何事もバランスが重要。富栄養化は様々な問題を引き起こします。
富栄養化が起こす問題
ホームビオトープで富栄養化するのは、メダカに餌を与えるからです。
餌には窒素栄養分やリンが含まれていますし、メダカたちのフンにもそれらは含まれる。窒素やリンは植物の肥料になりますので、少ないうちは吸収してくれますが、バランスが傾くとそれも追い付かなくなってしまいます。
すると余った養分をコケや藻類が利用し、繁殖していく。アオミドロさん、いらっしゃいです。
アオミドロには申し訳ないのですが、彼らが増えすぎると見栄えが良くない。そしてメダカも身体に絡んで泳ぎにくそうにしてます。
富栄養化では植物プランクトンも増えます。
プランクトンとはいえ植物なので、夜は光合成を止めて呼吸をする。彼らが大量にいると水中は酸素不足になります。
さらにプランクトンの死骸が水底に溜まることで水質が悪化するのも問題。
飼育水の富栄養化は、メダカたちの死亡要因です。
- アオミドロが繁殖
- 水質悪化
- 酸素不足を起こす
富栄養化を防ぐには
対策は3つあります。
餌の量を調整する:
まずは、栄養分の塊である餌を与えすぎないことです。
うちは水温の下がる晩秋~冬にかけてアオミドロが繁殖してきたので、これは越冬のための体力をつけさせようと餌をたっぷり与えたことが原因でしょう(汗)。
餌の量を夏場とさほど変えずに与えていると、秋以降は養分を吸収する水生植物の勢いが落ちますから、富栄養に傾いたのだと思います。
水生植物を植える:
水中に養分があるのなら、それらを成長のために使ってくれる植物を植えることは有効な対策になります。
前述しましたが、うちで晩秋にアオミドロが増えたのは、植物の勢いが落ちたからだと考えられる。
富栄養化対策の植物では成長が早く、屋外での越冬も可能なマツモが扱いやすくて良さそうです。
入手しやすく、安価なのも素晴しい。
世界中に自生し、日本でも古くから親しまれている水草なのでメダカとも相性良好です。
マツモ、ちょっと導入してみます^^
水換えする:
ホームビオトープのような外界から隔離された環境でも、バクテリアが増えて生物濾過が回っている状態であれば、水換えは必要ありません。
・・・が、栄養素が増えすぎてしまった場合は、一部だけ水換えすることで不要な養分を取り除けます。
ビオトープを立ち上げて間もない時期は、底床にバクテリアがまだ十分繁殖していないので富栄養になりがちです。
バクテリアが増えて容器内が安定してくるまでの1ヶ月ほどは、生体はあまり入れない方が無難です。
荒木田土(田んぼの土)は危険
ホームビオトープを作る際、バクテリアによる生物濾過を目的に土を入れますが、荒木田土(田んぼの土)は富栄養化の点で見れば危険だと思います。
その理由は、田んぼの土には稲や植物を元気に育てるために保肥性がよく、栄養分がたっぷり含まれていること。
つまり稲を隙間なく植えていないかぎり、栄養分が多すぎ、水を濁らせアオミドロを発生させやすい土です。直射日光が当たる場所にある容器だと、あっという間にエラいことになるでしょう。
メダカたちの食料になるミジンコや微生物を増やすには、とても良い土なんですけれどね。
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