屋外でメダカを飼育する際、多くの場合は植物を植えます。
睡蓮鉢であれタフ舟であれ、植物があるとないとでは雰囲気が全然違ってくる。緑の草の間をメダカが泳ぐ様は、疲れた現代人に癒やしをくれますよね。
しかし水生植物には実は、僕たちを楽しませる以外にも重要な役割があります。メダカたちが健康に生きるための環境作りです。
具体的なメリットは、主だったところでは次の5つです。
- 生態系ができて水質安定
- 酸素を作る
- メダカのストレス軽減
- 日陰となり、水温上昇を和らげる
- 産卵場所になり、稚魚を隠す
水換え不要の環境になる
水生植物の働きとして一番重要なのは、植物が生長するために水中の栄養分を吸収してくれることです。
メダカは生き物ですから、排泄物を出します。餌の食べ残しが出れば、水底に溜まっていきます。
それら不要で有害な物質を土や砂利に住むバクテリアが分解し、できた硝酸塩を植物が養分として吸収する。
この生物濾過の仕組みができれば、睡蓮鉢など容器内の限られた水でも水質が安定し、しんどい水換えがほぼ不要になります。
酸素を作る
水中に葉を広げる植物は光合成によって水中の二酸化炭素を吸収し、酸素を供給してくれます。
メダカの匹数が増えると酸素濃度が下がり、呼吸困難になる場合もあるので、植物の作り出す酸素は役立ちます。
メダカのストレス軽減
メダカは植物の陰が好きです。
直接話を聞いたわけではないけど、きっと好き。
人が何にもない空間よりも木々のある公園で落ち着くように、メダカたちも植物のある自然に近い環境が落ち着くでしょう。
植物があることで、隠れ場所にもなります。メダカもヌマエビたちも、よく植物の陰にいる。
ストレスの少ない環境のほうが病気になりにくく、健康で長生きします。
ひょっとすると日本に昔から生えている植物を植えた方がメダカたちの心地よさも増すんじゃないかなと思い、僕は地域の植物をできるだけ使ってます。
夏の水温上昇を和らげる
メダカは日光が大好き。でも夏場の直射日光による水温上昇は、メダカにとっても酷です。いくら38℃といったぬるま湯状態でも生きられるメダカとはいえ、厳しい環境。
その水温上昇を和らげ、緩やかにしてくれるのが、水辺の植物や浮き草が生み出す日陰です。
オモダカ類やカヤツリグサ科の植物(サンカクイ、ホタルイ、マツバイなど)、アシなどが茂っている水辺はメダカたちに優しそうです。
産卵床や稚魚の隠れ場所になる
水生植物は、メダカの産卵床になります。
浮き草のホテイソウが有名ですが、メダカたちが身体をこすりつけられる植物なら大丈夫。
沈水性のマツモやカボンバもよく使われています。
また、こういった植物たちは、水面近くで暮らすメダカの稚魚たちにとって良い隠れ場所になります。
とりあえず食べられそうなものは口に入れるメダカは、稚魚も見付け次第食べようとします。
成魚と稚魚を同じ容器内で飼う場合、浮き草の根や水草は稚魚を守ってくれます(広い容器でないと、それでも生存率は下がる)。
水生植物を植える注意点
メリットたくさんの水生植物ですが、注意点もあります。
それは、種類によっては成長スピードが非常に早く、水面や容器を埋め尽くしてしまうことです。
浮き草は特によく増えます。
水面を覆ってきたら、ためらうことなく間引いていきましょう。
特に厄介なのは、他の草などに混じってやってくる、米粒大のウキクサ・・・ 1粒ならかわいいし良いや、と油断すると手が付けられなくなります。
デンジソウやウォーターマッシュルームなど、地下茎で増えていく植物も繁殖力が強い。根が広がりすぎないよう、鉢などに植えるのもいいです。
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