【メダカビオトープ】タニシだと思ってたら、実はジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)

ビオトープ

ある日、近所をジョギングしていたら、田んぼに巻き貝がいました。どれ、と拾ってみると、タニシのよう。たくさんいたので、10匹連れて帰ったのですが・・・
これがジャンボタニシと言われるスクミリンゴガイだったという、情けない話です。

スクミリンゴガイとは

形はタニシに似ていますが、似て非なる大型の巻き貝です。
稲や在来の水生植物を食害することから、環境省によって「要注意外来生物」に指定されています。

成体の大きさは殻高50~80mm。
ヒメタニシが35mmほどなので、見るからに大きいです。

並べてみました

左の2匹がスクミリンゴガイ。すでに右のヒメタニシより二回りほど大きいですが、もっと育つはず。

殻の形と模様の方向

殻の形を見比べると、ヒメタニシが尖っているのに対し、スクミリンゴガイは2段目・3段目が小さくてくぼんでいます。その名のとおり、リンゴのような。
拾って帰るときにタニシかな、とチェックもしたのですが、素人目には区別が付いていなかったわけです。幼体だと、もっと差が分かりにくい?

左のかわいい2つがヒメタニシ

殻の模様も異なりますね。
ヒメタニシは殻の螺旋に対して縦縞の模様で、スクミリンゴガイは横縞の模様です。

食欲旺盛

食欲が旺盛で、水田において雑草駆除に用いられることもありますが、これには水位の微妙な管理が必要なようです。一般的には稲の食害を防ぐために駆除される立場にあります。

食性は雑食。
タニシは微生物の死骸を食べたり、体で水を濾して食べ物を得る濾過摂食によって水質浄化に活躍してくれる一方(素敵!)、スクミリンゴガイは大いに食べるだけで水をきれいにしてくれません。

動きも成長も速い

撮影しようと並べてみると、じっとしているヒメタニシとは対照的に、すぐに動き出します。そして移動速度も速い。勝手に縁まで行き、ボトッと落ちてます。

成長速度も速いです。
拾って帰るときは、ジョギングの最中だったので、片手に10匹が普通に収まりました(かわいかったのです)。それからわずか10日で、見違えるほどに育った。いまだと片手に2匹以上握るのは難しいです。

ヘアーグラスを食べられた

緑のじゅうたんを期待していたが・・・

そんな食欲旺盛なるスクミリンゴガイですので、間違って飼育容器に入れてしまうと、あれやこれやと水草を食べられてしまいます。

わが家の場合は、被害に遭ったのはヘアーグラスマツバイ)でした。

大型睡蓮鉢が緑のじゅうたんで覆われたら、さぞかし美しいだろうなと思ってチャームさんで購入して育てていたのですが、気が付けば全滅の憂き目に(涙)。

2020年の7月は連日雨続きで、チェックが遅れた・・・というのは言い訳なんですが、いつの間にやら消えてなくなっていました。
スクミリンゴガイたちを入れてから、10日足らずでのことです。

これはいかんと、即回収。
勝手に連れてきて申し訳ないのですが、退場してもらうことにしました。

ヒツジクサの葉が、かじられているのも、スクミリンゴガイの仕業?

素手で触らない方が良い

あとでスクミリンゴガイについて調べていて、凹んだのが「寄生虫がいるかもしれないので、触れるときは手袋着用」との情報です。

広東住血線虫なる、その名のとおりに血液中に住む線虫が寄生している可能性があるらしく、webを調べると、ヒトの体内に侵入した場合は中枢神経へと移動して脊髄炎などを引き起こす・・・ 最悪の場合は死に至ることもある・・・とか怖いことが書いてあります。

拾って帰るとき、思い切り素手で握ってましたが。

危ないのは十分に加熱せずに食べた場合で、触ってもしっかり手洗いすれば大丈夫なんですが、10日前にどうだったかは自信がない(苦笑)。
スクミリンゴガイに限らず、タニシやカタツムリにも寄生するみたいなので、彼らに触れた後はしっかりと手洗いしましょう。

不幸中の幸い:アオミドロもなくなった

スクミリンゴガイの食欲がプラスに働いた点もひとつありました。睡蓮鉢内のアオミドロもなくなったのです。

この睡蓮鉢は立ち上げてから2年目に入った今年、ついにアオミドロが発生するようになって困っていたのですが、これがきれいに消えてなくなっている
ウィローモスに絡まっていて、半ば諦めていたアオミドロまで、なくなっています(下写真)。これはすごい。

アオミドロに覆われていたはずのウィローモス

数日前まで、折を見ては手で取っていたので、スクミリンゴガイが食べてくれたと考えて間違いないでしょう。これに関しては、大いに感謝です。ヘアーグラス 950円の件はとりあえず大目に見ようか 笑。
(ここまで減れば、あとはミナミヌマエビたちが予防してくれるはず。)

なので、性成熟する前の生後2ヶ月に満たないスクミリンゴガイを1匹入れるのであれば、あるいはアオミドロ除去係として活躍してくれる・・・?
責任は持ちませんし、止めておくのが無難ですが。

まとめ

成体に育ったスクミリンゴガイは迫力がヒメタニシとは全然違っているので、間違えて採取することはないと思います。

しかし、1cm~2cmくらいの幼体だとわりと似ていて、混同してしまうかもしれません。目利きのできる人以外は、採取してきた巻き貝を容易に飼育容器に入れない方が無難でしょう。

あとはそう、素手で触ってしまった後は丁寧に手を洗うことですね!
手洗いの前に粘膜に触れないようご注意を。

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