【インセクトホテル】虫ホテルを作る注意点

ビオトープ

単独行動性のハチやテントウムシといった、害虫を補食したり花粉を媒介する虫たち、いわゆる益虫に越冬場所を提供することを目的とした、虫ホテル(インセクトホテル、バグホテル)。

2019年はこの虫ホテルを作っていきます。

そのための情報を不得手な英語サイトから集めているなかで、注意点を提起しているところがありました。
THE ENTOMOLOGIST LOUNGE というブログの”Insect Hotels: A Refuge or a Fad?” という記事です。

どうやら欧州ではインセクトホテルがガーデニング関連のショップで普通に販売されているそうなのですが、それらはしばしば、呼び寄せたい虫たちにとって好ましくないデザインになっていると。
虫たちが生き残るうえで重要な、メンテナンス面での考慮がなされていないそうなのです。

病気・寄生虫のリスク

特に問題提起されているのは、大規模なインセクトホテルには病気や寄生虫のリスクが高まることです。

自然界とは異なり多数の巣が一箇所に集まるので、寄生ハチや寄生ハエがそこに卵を仕込んだ場合は、ホテル全体の保護したい虫が被害に遭ってしまう。そして、それが翌年も続くというから怖い…。

また、カビが生えることで虫たちへの病気が持ち込まれるらしく。カビは湿度を好みますので、雨からきちんと守れる屋根などがあることが不可欠なんですね。なるほど。

虫たちのシェルターを用意したのに、それが虫たちにとって害を与えるものであっては本末転倒。適切な配慮をすることは製作者の義務で、そのカギになるのは正しいデザインとメンテナンスである、ということです。

スモール・イズ・ベター

前置きが長くなりましたが、以下の点を注意して、虫ホテルを作りたいと思います。

■大きなものを1つより、小さなものを複数

複数種の生物が暮らす大型の“マンション”を作ろうとはせず、ハチ用、テントウムシ用など棲んでほしい生きものごとに小型の“アパート”を用意する。

湿度や日照など、生きものによって適した環境は異なりますし、カビなどの繁殖で全体が汚染されるのも防げます。
製作もメンテナンスも、し易そう。

エキスパートなら大規模ホテルの運用も可能ですけど、初心者は小さいものから始めるとムリがありません。

■ただしく設置

たとえばハチ用のホテルは、「陽の当たる南向きで、地面から1m以上離し、風で揺れないようしっかり固定する」必要があるそうです。

好む環境は虫によって異なるので、勉強しないと。

■自然の素材で、頑丈に作る

材料を庭から調達できれば、理想的。
虫たちを不快にする化学物質(防腐剤や塗料など)は使用せず、天然素材で作る。

そのまま使うのですから、腐りにくい材質の木材が良いですね。本体が雨に濡れないように守る、屋根部分をしっかり作る必要があります。

■清潔に保ち、傷めば交換

虫ホテルは、作れば完了ではなく、メンテナンスに気を配ることが重要だそうです。

虫たちも一度利用され、汚れたままのホテルには来季も通ってくれないらしく、ハチホテルの場合だと夏の終わりに点検・掃除をしなきゃならない。

メンテナンスすることで、病気を媒介するカビやダニの繁殖を予防することになるなら、たしかに大事だ。

そして薬品による防腐処理などをしないので、虫ホテルは風雨で劣化してしまいます。2年ごとにパーツ交換するなどしていくみたいです。

すばらしい先達さんたちは数多いので、勉強しながら、虫たちの暮らせる空間を庭に作っていきたいです。
自然バランスの取れた庭なら、農薬や殺虫剤を使う必要はない。子どもたちにも伝わるものは多く、貴重な経験になると思います。

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